山崎 弘義 写真展 「Around LAKE TOWN7-social distance-」を見に行ってきました 〜 コロナな日常をエンジョイする逞しきレイクタウンピープルの記録
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日常を取り戻しているはずだった2020年夏の首都東京。
「新型コロナ大変だったね〜」とか振り返るはずが、まさか「新型コロナますますやばいわ〜」と人々が口にすることになるとは、誰も想像しませんでしたね。
「越谷レイクタウン」を撮り続けている写真家、山崎弘義氏の写真展 「Around LAKE TOWN7-social distance-」も危ぶまれながら、なんとか無事開催に開催中です。
7回目に突入した「Around LAKE TOWN」シリーズ。サブタイトルはずばり「ソーシャルディスタンス」
半年ぶりに訪れた、四谷4丁目の「ギャラリーヨクト」はいつもと変わらない静けさでしたが、一本隔てた「新宿通り」は休日とは思えないぐらい車通りも少なく、ジョルジョ・デ・キリコ「通りの神秘と憂愁」 みたいな感じさえする、シュールな昼下がりでした。
7回目の「Around LAKE TOWN」で初めて付いたサブタイトルは、ずばり「-social distance-」(ソーシャルディスタンス)。
辻音楽士さながらに、湖畔でギターを奏でる青年。無人の「レイクタウンアウトレット」の駐車場で上半身裸で日光浴をするオヤジ。マスクなんて言葉は彼らの辞書にない風の異国のヤングメンetc.
そこに映るレイクタウンピープルには悲愴さなんて全くなくて、むしろやりたい放題。制限された日常を思いっきりエンジョイしようとする逞しさが活きいきと描き出されています。
本展の告知でも書きましたが、ブログ主が大好きな「CROSS ROAD」にとても近い、エネルギッシュな人々の営みを、ユーモラスな切り口で捉える、山崎さんの真骨頂を見ることができます。
山崎弘義写真展
『Around LAKE TOWN7-social distance-』
2020年8月1日(土)~ 8月11日(火)会期中休みなし
13:00~19:00 入場無料<写真展内容>
外出自粛なんだから写真なんか撮影している場合か、という声を尻目に緊急事態宣言下に何度なくレイクタウンを訪れた。とりあえずマスク着用、距離を取りながら短めの会話。レイクタウンピープルは、普通に自分の生活を謳歌していた。家にばかりいるわけにもいかぬ小中学生は元気に大相模調節池や公園で遊んでいた。その姿を記録できたことはよかったと思う。
越谷レイクタウン地区は東京都心から北方に約22km、埼玉県越谷市の南東部に位置する、計画面積225.6ha・計画人口22,400人の新しい町である。2008年に街開きして、12年目を迎えた。中心に位置する大相模調節池の畔に立ち、あたりを見渡すと、東にはイオンレイクタウンという巨大商業モール、南方向にはマンションが連なる一帯がある。
数年後にこの写真を見て、そういうことがあったんだよね、という歴史の一場面になっていることを切に願う。そしてイオンレイクタウンという巨大ショッピングモールが休業している姿は遠い将来の姿を想像してしまうのは写真家の性か。
【作者略歴】
山崎 弘義(やまざき ひろよし)
1956年 埼玉県生まれ。
1980年 慶応義塾大学文学部哲学科卒。
1986年 フォトセッション’86に参加し、森山大道氏に師事。
1987年 東京写真専門学校報道写真科II部卒業。
現在、日本写真芸術専門学校非常勤講師。主な写真展に、
1990年「路上の匂い」(ミノルタフォトスペース)
1992年「はざまの表情」(オリンパスホール)
1994年「クロスロード」(コニカギャラリー)
1996年「ウォーク・オン・ザ・サニーサイド」(ドイフォトプラザ)
2014年「Outskirts」(Totem Pole Photo Gallery)
2015年「DIARY母と庭の肖像」(新宿ニコンサロン)
2016年「水と緑と太陽の町」(コニカミノルタプラザ)
2017年「KnowThyself」(TAP Gallery)などがある。
2015年『DIARY母と庭の肖像』(大隅書店)を出版。
ギャラリーヨクト
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-10 ユニヴェールビル102
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目」駅2番出口から徒歩5分
これで入場無料なんてもったいないですよ本当に。
今の都心に出かけるのはちょいと勇気が要りますけど、是非ともオススメな写真展です。
それにしても次回「Around LAKE TOWN 8」のサブタイトルがまた「-social distance-」にならないことを切に祈るブログ主です。
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