【越谷市大成町】室町時代の遺跡を園庭に抱く保育所 いよいよ着工
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1月の寒空の下行われた「東方西口遺跡(ひがしかたにしぐちいせき)」の発掘調査現地説明会から、はや7ヶ月。
「越谷市立大相模保育所」の建設予定地で発見され、中近世の歴史のロマンを垣間みせた、あの発掘現場はきれいに埋め戻され、当ブログではおなじみの工事現場の姿へと変貌を遂げていました。
まずは「東方西口遺跡」についておさらい
冒頭の写真とほぼ同じアングルで撮影した、2020年1月10日の写真が下の一枚。
出土品に「文明十七年 八月十五日」と刻まれていたことから推定して、この「東方西口遺跡」は室町時代から江戸時代の遺跡であると思われます。
文明(ぶんめい)は、応仁の後、長享の前の年号で、1469年から1487年までの期間(室町時代)。天皇は後土御門天皇。将軍は足利義政、足利義尚。
535年前(文明17年は西暦1485年ですから)のこの場所は「自然堤防」すなわち洪水の堆積物によってできた、一段と高い立地であったと言われています。
詳しいことは以前の記事↓でご覧ください。
「室町時代の遺跡を園庭に抱く保育所」=「越谷市立大相模保育所」の完成予想図
工事現場のフェンスには新しい「越谷市立大相模保育所」の完成予想図が掲げられていました。
「黒いお屋根にベージュの外壁」は和の佇まい。もしかしたら代表的な室町建築をインスパイアしたのでは?と妄想するブログ主です。
↑皆様ご存知の代表的室町建築物「金閣寺」
さらに注目すべきは、西側(画像の左側)に園庭、東側に園舎というレイアウト。これは埋められた遺跡を温存するためなんです。
つまり発掘で得られた遺跡の地層を破壊することなく、静かに埋め戻して園庭に、基礎工事の必要な園舎は、遺跡以外の場所に建てるという心遣いなんですね。
すなわち本園は「室町時代の遺跡を園庭に抱く保育所」!! 超カッコイイ!!!
園庭で遊ぶ子供たちにも是非教えてあげたいですなあ。
建物の工事は2021年3月19日完成予定ですから、来春からの供用になると思われます。
それにしても「室町時代の遺跡」と「新しい保育所」というリレーは、とてもしっくりくると思いませんか?
少なくとも、昔の人々の息づかいを今に伝えるという意味では、「オフィスビル」とか「タワーマンション」になってしまうよりも、ずっとずっと意義があることの様に思います。
この稀有な立地の保育所の建設次第を、引き続きウォッチしてまいります。