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山崎 弘義 写真展 「Around LAKE TOWN 9-social distance 2-」を見に行ってきました 〜コロナな日常を生きるレイクタウンピープルが纏う微かな翳り

「♪ちょうど二年前にこの画廊に行った夏〜 昨日のことのように今はっきりと思い出す〜」
「♪なんでもないような夏が幸せだったと思う なんでもない路地の裏 二度とは戻れない夏〜」(「ロード第2021章」by 虎舞流散歩)

いきなり偽歌謡曲から始まって恐縮です。「新型コロナ」という言葉の影すらなかった2019年の夏、いつもの「四谷」の路地の「ギャラリーヨクト」で開催されたのは、山崎 弘義 写真展 「Around LAKE TOWN 5」でした。

翌年の2020年3月の「Around LAKE TOWN 6」から新型コロナは流行り始め、「7」「8」を経てもその収束の見通しすら立たないまま…

そんな中、人混みの避け方だけは達人の域に達したブログ主、ついに「Around LAKE TOWN 9-social distance 2-」を見て参りました。

9回目に突入した「Around LAKE TOWN」シリーズは、2回目の「ソーシャルディスタンス」を写し出す。

四谷4丁目の「ギャラリーヨクト」はいつもと変わらない静けさでしたが、一本隔てた「新宿通り」は以前の緊急事態宣言の時よりも、明らかに人の気配が増えておりました。

これがいわゆる「コロナ慣れ」なのか? 道ゆく人々は、身を守る術、その勘所を会得したのだと信じたいブログ主です。

写真展実施においては、新型コロナウィルス感染防止のため、消毒液の設置と定期的な換気を行っております。

9回目の「Around LAKE TOWN」サブタイトルは「-social distance 2-」(ソーシャルディスタンス2)

 

印画紙に焼き付けられた、コロナな日常を生きるレイクタウンピープルや「イオンレイクタウン」に訪れる人々の姿は一見して逞しく見えます。

でもその表情には、微かな翳りがあるように思うのは、ブログ主の考えすぎでしょうかね?

もしも「-social distance 3-」が見られる日が来たら、その時、人々の纏う雰囲気はどのように変化しているのか? 見てみたいような、絶対に見たくないような…。

一方、ギャラリーの室内には明かな変化が見られます。

「これは作品の一部(オブジェ)ですか?」と思わず山崎さんに聞いてしまった、この壁面開口部!!

単純に控室の換気を良くするためのものだそうですけど、いい写真に囲まれていると「壁の穴」すらも芸術に見えてしまうという、人間心理のマジックですね!!(単なる早とちり!!)

山崎弘義写真展

『Around LAKE TOWN9-social distance 2-』

2021年8月21日(土)~29日(日)13:00~19:00

<写真展内容>

今回展示した写真は今年1月以降にレイクタウンを撮影したものである。5月の連休の頃、イオンレイクタウンは多くのお客さんで混雑していた。たぶん東京が緊急事態宣言中だったため、大規模商業施設が休業していたことも影響していたのではないだろうか。昨年の緊急事態宣言ではイオンレイクタウンも一部店舗以外は休業しており、今年の様子とは大きく異なっていた。
2021年以降、どこの地域が緊急事態宣言なのか、どこがまん延帽子等重点措置なのかを正確に把握している人はいなかっただろう。緊急事態という言葉とは異なり、それは常態化して国民の中には緊張感など生まれるはずもない。ワクチン接種が広がり、1年半続いたマスク生活から脱却できる日はいつか訪れるのだろうか。またマスクで顔半分を隠すことを強いられて、いつのまにか自分の表情を見せないことが普通になってしまった。そのことが人の個性に対する意識を変えてしまってきているように思えてならない。
越谷レイクタウン地区は東京都心から北方に約22km、埼玉県越谷市の南東部に位置する、計画面積225.6ha・計画人口22,400人の新しい町である。2008年に街開きして、13年目を迎え、2021年6月には既に21,000人を越えた。中心に位置する大相模調節池の畔に立ち、あたりを見渡すと、東にはイオンレイクタウンという巨大商業モール、南方向にはマンションが連なる一帯がある。この地がかつて一面の田んぼだったことを知る人は少ない。私は2014年ころから、この地を定期的に訪れ撮影を重ね、過去8回の写真展を開催してきた。新型コロナウィルスという未知の事態に向き合う時に、普段から続けてきているレイクタウンの撮影の中にそのウィルスの影がどう写り込んでくるかを見てみようと思った。(展示予定作品:A2サイズデジタルカラープリント28点)

【作者略歴】
山崎 弘義(やまざき ひろよし)
1956年 埼玉県生まれ。
1980年 慶応義塾大学文学部哲学科卒。
1986年 フォトセッション’86に参加し、森山大道氏に師事。
1987年 東京写真専門学校報道写真科II部卒業。
現在、日本写真芸術専門学校非常勤講師。

主な写真展に、
1990年「路上の匂い」(ミノルタフォトスペース)
1992年「はざまの表情」(オリンパスホール)
1994年「クロスロード」(コニカギャラリー)
1996年「ウォーク・オン・ザ・サニーサイド」(ドイフォトプラザ)
2014年「Outskirts」(Totem Pole Photo Gallery)
2015年「DIARY母と庭の肖像」(新宿ニコンサロン)
2016年「水と緑と太陽の町」(コニカミノルタプラザ)
2017年「KnowThyself」(TAP Gallery)などがある。
2015年『DIARY母と庭の肖像』(大隅書店)を出版。


ギャラリーヨクト
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-10 ユニヴェールビル102
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目」駅2番出口から徒歩5分

Hiroyoshi Yamazaki Photographs

次回はついに大台に乗って「Around LAKE TOWN 10」。でもやっぱり「-social distance 3-」は勘弁してほしいブログ主です。

引き続きウォッチして参ります。

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