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こだわりの「草加煎餅」工場の最深部でブログ主が見たものとは!? 今に息づく職人の知恵と工夫の結晶「草加煎餅丸草一福(そうかせんべいまるそういちふく)」工場潜入記

職人の知恵と工夫が詰まった「食べる芸術品」=「草加煎餅」の製造工程をみてみよう!!

当たり前ですが、おせんべいはお米の「生地」を焼いて作る、極めてシンプルなお菓子です。

でもシンプルなものほど奥が深いという、宇宙の真理はこの「草加煎餅」にもバッチリ当てはまります。

「生地」の工程

  1. 地元埼玉の一等米にこだわる
  2. 精米する
  3. 製粉する
  4. 蒸して練る
  5. 冷やす
  6. つく
  7. のして型を抜く
  8. 乾燥する
  9. 寝かせる

「焼き」の工程

  1. 生地の水分を一定にする
  2. 生地を温める
  3. 押しては返しを繰り返しながら焼く
  4. 醤油を塗る
実は「草加煎餅」の製造会社は「生地」を作る「生地屋」と、それを焼く「焼き屋」として分業されているのが普通です。今回見学させていただいた「草加煎餅草加煎餅丸草一福」さんは、「生地」と「焼き」の両方を社内で一貫する、稀有なおせんべい屋さんなのです。

「生地」を作る工程

①地元埼玉の一等米にこだわる

この日倉庫に収められていたのは「松伏町」と「杉戸町」で採れた「彩のきずな」という埼玉県のブランド米。病気や害虫への抵抗性が高いおかげで「減農薬栽培(農薬を極力使わない)」が可能になったという、食の安全にも非常に優れたお米です。

なんとこの「彩のきずな」は2017年産のコメの食味ランキングで、最高ランクの「特A」を初めて獲得した逸品。しかもこの年は「特A」の常連である「魚沼産コシヒカリ」を抜いたんです!!

②精米する

鮮度を保つため、玄米として保管されていたお米は、製粉の直前に精米(お米と米ぬかに分離)されます。

③製粉する

精米されたお米は、よく研がれた後に、粉にされますが、その際に使う「製粉機」は創業当時からずっと大切に使い続けているもの。今流行りのハイテクマシーンを導入しないその訳は、その日その日によって変化する微妙な挽き加減を再現するため。使い込まれた「製粉機」だからこそ、職人さんの手による微調整が可能になるんですね。

④蒸して練る

粉にされたお米は、いよいよ低圧蒸気で蒸されます。そのための機械は「蒸練機(じょうれんき)」と呼ばれる、漢字変換泣かせのツールです。

⑤冷やす

蒸された「お餅=しんこ」はこの花びら型に配置された水槽の中に投入され、綺麗な水で冷やされます。

しんこ餅とは、上新粉(じょうしんこ・白米をひいた粉)からできたお餅のこと。

⑥つく

冷やされた「しんこ餅」は「もちつき機」でよくつかれます。

⑦のして型を抜く

「のし機」で薄く伸ばされた「しんこ餅」は型に抜かれて円形に。

⑧乾燥する

昔は上の写真のように天日で、お煎餅の生地を干していたそうですが…

今は「蒸気乾燥機」を使って、8時間以上ゆっくり時間をかけて乾燥しているそうです。お天気次第での乾燥ムラをなくすということですね。

⑨寝かせる

さらにさらにその「生地」を寝かせます。このアンティークな木箱の中で11日間!

毛布をかけたり、箱の中の「生地」の上下を入れ替えたりして、乾燥度合いを均一に持っていきます。

ここで職人さんは「生地」どうしを軽くぶつけてその音を聴くんだそうです。ブログ主も体験させていただきましたが、乾燥の進んだ「生地」は高く乾いた音、まだ乾燥していないものは少し鈍い音がしたような気がしました。職人さんはその微妙な音の違いを聴き分けて、次の「焼き」の頃合いを見極めるということです。

ここまでがお煎餅の「生地」を作る工程です。どうです、ここまででもとんでもなく手間がかかっているでしょう!!

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