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2018年10月 茨城県土浦市で「第17回 世界湖沼会議」開催 ~ 越谷レイクタウンの「レイク」についても再考察

越谷レイクタウンのシンボルと言えば「レイク」こと「大相模調節池」ですよね。
「イオン」=「レイクタウン」と思っている人もいらっしゃるでしょうけど「日本初の内陸型ウォーターフロント」たるこの町ですから、そこのところゆめゆめお間違えなく。

そして、その湖畔に住まう越谷レイクタウンピープルならば見逃せない学術会議「第17回 世界湖沼会議」が茨城県土浦市で開催されるそうです。

「湖沼」とはもちろん「湖」と「沼」のことですよね。では「湖」「沼」とはそもそもどんな定義なんでしょうか?実は定義は無いようで、諸説を総合すると…

「湖沼」とは海とは隔てられた水の塊であり(明言されてはいないが天然に存在するもので)
1)沿岸植物の侵入を受けないだけの深さをもつものを「湖」(水深5m以上)
2)湖より浅く沈水植物がいたるところに繁茂するものを「沼」

と、いうことで回りくどいですが「レイク」こと「大相模調節池」は人工物なので当然「湖沼」の仲間ではございません。水深的には「沼」なんですけどね。

当ブログの下の方(パソコンでご覧の方は右のサイドバーの下の方)に「大相模調節池」の水位グラフがあります。これは水位観測所のデータをリアルタイムに表示しています。台風やゲリラ豪雨などの際は是非チェックしてください。

じゃあなんでこんな記事を書いてるの?暇なの?と言わないでください。以下は「第17回世界湖沼会議」の趣旨書の抜粋です。

水はすべての生命の基礎であり、人を含む多様な生態系に多大な恩恵を与えてきました。湖沼は、農業や漁業、産業そして文化においても、きわめて重要な資源・資産であり、その環境の保全が重要です。

おっしゃる通りです。
世界に存在する水の量は約13億5000万立方キロメートルと推定されているそうですが、そのほとんどが海水です。我々が生活に利用できるという点において、水量はわずかに約20万立方キロメートルにすぎない「湖沼」の重要性は海水をはるかに上回ると言われています。

前回、1995年(平成7年)に茨城県で開催されました第6回世界湖沼会議では「人と湖沼の調和-持続可能な湖沼と貯水池の利用をめざして-」というテーマを掲げ、湖沼の利用と環境保全、淡水資源の確保と管理、湖沼の富栄養化や化学物質の影響について議論し、人間と湖沼の調和をとるべく意見交換を実施しました。更に、水環境保全活動の取組や環境教育に焦点をあてたことによって、多くの流域住民や市民団体が参加し、市民活動が活発になる契機となりました。会議以降、市民、研究者、企業、行政4者がパートナーシップのもと水環境問題に取り組み続けています。

おっ「貯水池」というワードが出てきましたね。「貯水池」とは、発電、灌漑、上水道、治水などの目的で、河川などの水を貯めておくものですから、これはズバリ我が「大相模調節池」に合致します!!

近年、世界湖沼会議においては、生態系に関するテーマが議論されています。また生物多様性は人類の生存を支え、人類に様々な恵みをもたらすもので、生物に国境はなく、世界全体でこの問題に取組むことが重要であることから、生物多様性条約が1992年(平成4年)に採択され、情報交換や調査研究等を各国が協力して行っています。

むむ、もう一つ重要なワード「生態系」が出てきました。「レイク」にはビオトープがありますからね。シロサギアオサギバンも深くうなずいています。

一方、日本においては、水が人類共通の財産であることを再認識し、水が健全に循環し、そのもたらす恵沢を将来にわたり享受できるよう、水循環に関する施策を総合的かつ一体的に推進するために、水循環基本法が2014年(平成26年)7月に施行されました。法律では、「水循環の重要性」、「流域の総合的管理」等を基本理念として掲げ、地方公共団体、事業者、国民それぞれの責務と関係者相互の連携及び協力について定めています。

「水循環基本法」ってなんですか?
驚いたことに、この法律以前には地下水を含む水政策について、土台となる理念や方向性を定める法律は存在しませんでした。国土交通省(河川全般)、経済産業省(工業用水)、農林水産省(農業用水)に所管は分化されて、水循環の統合的な管理や、流域単位・地域主導の水資源保全を行うための体制や計画が不十分だったんですね。
そうこうしているうちに、山奥の水源地とその周囲の森林なんかが外国に買い占められそうになったりと、困ったことも発生し始めました。

食料や水の供給等生物の多様性を基盤とする生態系から得られる恵みである生態系サービスを人は享受してきました。しかし、開発行為や気候変動等により生物の多様性は急激に失われつつあります。今回の会議では、人が生物多様性の保全や回復により一層努めることで、生態系が維持される、即ち人と湖沼が互いに支えあう、共に生きていく社会づくり(方策)について議論します。また、生態系サービスを将来にわたって持続的に享受するためには、どのようなことに取り組むべきなのかについて、住民、農林漁業者、事業者、研究者、行政等湖沼に関わりを持つ全ての人々が、情報の共有、意見交換を行います。

本会議を契機に、様々な立場の者がそれぞれの役割分担のもと、連携がより一層強化され、湖沼問題解決の新たな進展につながることを目指します。

越谷レイクタウン周辺では「コシガヤホシクサ」という野生では失われてしまった希少な植物もあります。

読者のみなさま、壮大な前振りにお付き合いいただきましてありがとうございます。

要するに…
「水辺が抱える課題は普段私たちが意識しているよりは、はるかに複雑で大きいものであり、その地域にルーツを持つ皆んな(行政も民間も学術も、大人も子供も。)が協調し、協力しなければこれから先は維持できないよ。だからみんな集まれ〜。」
ということです。

例えば霞ヶ浦あたりでは、リンを含む洗剤の販売と使用が禁止されています。

ブログ主が散歩をしていて一番嫌になるのは、冬の夜の川辺です。
冬の河川は水位が少なく(農業用水が無いので)そこに、お風呂や洗濯の排水が流れ込んだりすると、あの芳香剤が薄まったなんとも言えない匂いが漂ってきます。
こういったことをなんとかしていくのも、現代に生きる我々の役割なのでしょう。

この会議自体は茨城県が旗振り役を担っており、協賛や参加団体も地元が多いです。
こういうところへ「越谷レイクタウン」として堂々参加してみるのも意義のあることじゃ無いかと思うブログ主です。

柄にも無く小難しいことを連発したので頭が暑くなってきました。

実はこの会議に連携した親子でも楽しめそうなイベントもあるんです。
それはまた別記事でお伝えしますね。

当会議の詳細情報はこちら

第17回世界湖沼会議[いばらき霞ヶ浦2018]