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また君に逢いたい‥‥消えた古代ハス

2015年も秋本番。今年も越谷レイクタウンはダイナミックに変貌を遂げています。
その姿をリアルタイムで記録していくのも、当ブログの務め。

新しい何かをお伝えするたびに、心の隅っこにぽっかり空いたスペースがむなしく響くのです。

何かが足りない…。そう彼らの姿がないのです、今年は…。

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越谷レイクタウンに当初からお住いの方はご存知だと思います。
そう、彼らとは「古代ハス」のことです。

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古代ハスとはハスの種類を指すわけではなく、2000年ぐらい前の種子から蘇ったハスのことを指す呼び名です。ネットで検索すれば日本各地で古代ハスが現代に花を咲かせているのがわかります。

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大相模調節池の北池にも、つい昨年辺りまで古代ハスが勇壮な姿をみせていました。越谷レイクタウンが街開きをしたころから徐々にその数を増やし、そのうち上野の不忍池みたいに全面ハスに覆われるではと思うぐらいの勢いでした。もちろん本当に「古代」くんなのか、本当のところはわかりません。もしかしたら「昔」くんぐらいかも。

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珍しい野鳥も顔を見せるようになり、ハスの葉にのるヨシゴイを撮影しようとアマチュアカメラマンが殺到しました。初夏には夜に咲く蓮華を見に行ったものでした。

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ところが数年前に、剪定と称して大部分が除去されてしまったのです。それでも一部は湖底に打ち込まれた鉄板で広がらないように囲い込まれて残りましたが、昨年を最後にとうとう姿を消してしまいました。なぜ剪定しなければならなかったのかの理由は大体想像がつきます。調節池が大量のハスの堆積物などで機能が妨げられるのを恐れたのでしょうが、もっとやり方があったのではと悔やまれます。

またその頃、湖面で魚が死んでる姿がよく見られました。当時は導水門排水門が繋がっておらず、夏の暑い日などは水温がかなり上昇していたのも一因だったと思います。魚の屍体がハスの葉に引っかかっていると、さもハスが環境を悪化させているかのように誤解する人もいたと聞きます。

他の地域では手厚く古代ハスを保護して、立派に観光資源にしているようです。エコを標榜するレイクタウンが、CO2を固定化してくれる植物を除去するなどは本末転倒です。

今思えば、あの時水面に浮かんだ蓮の実を一粒でも持って帰っておけば、家の庭で増やせたのにと、さらに悔やむ今日この頃です。

ごめんなさい。ついこの話題になると愚痴っぽくなってしまいます。

嗚呼、また君たちに逢いたい…。